脊髄梗塞
 「あれ? なんかヤバいかも!」と腰に強い痛みを感じたのは昨年6月。東京での学会に参加し、2日目の朝を迎えた時でした。病名は「腰椎椎間板(ついかんばん)ヘルニア」。よく聞く名前でしたが、実際に患ってみるまではどんな病気なのか知りませんでした。

 東京からやっとの思いで小千谷に戻った後、しばらく安静と痛み止めにより自宅で療養をしていましたが、病状は回復せず、その後7月5日に魚沼病院に入院することに。寝返りをするにも声を上げるほどで、夜が長く眠れない日が続きました。食事や排泄、着替えなど自分一人ではできず、看護師さんから手を貸してもらう状態でした。入院中で治療が必要な患者なのだから当たり前。そう言われれば当然のことですが、一人の大人の男として当たり前にしてきた身の周りのことを、他人の手を借りて行わなければならないということは、恥ずかしくもあり、とても惨めな思いでした。

 一週間後には長岡中央綜合病院に転院し、神経根ブロックの治療を受けましたが、効果は上がらず、最終的に手術を受けることで痛みから解放されました。手術の翌日からリハビリに取り組み、7月下旬には無事に自宅へ退院することができました。
脊髄梗塞
 私は普段ケアマネジャーとして援助が必要な高齢者の支援に携わっています。今回の入院・手術を経験し、疾患のもたらす「痛み」だけではなく、当たり前の生活が失われ患者として療養生活を送らなくてはならないという心の「痛み」を体験しました。この心の「痛み」を和らげてくれたのは、いつもそばで励まし、支えてくれた妻や子供たちの存在です。心の「痛み」を受け止めてくれる人の存在は、それだけで大きな支えになります。

 患者という立場になり、感じたことを自らの職業に生かし、相談援助職として寄り添い心の痛みに耳を傾けながら、医療や介護が必要な高齢者の生活を支えていきたいと思います。