乳がんは今も増えてきています。では、乳がんにならないようにするためにどうしていけばいいか。乳がんが増えた背景には、女性のライフスタイルの変化や食生活の変化などがあると考えられています。

子宮頸がんの予防
 乳がんの多くは「ホルモン依存性のがん」といわれ、エストロゲンという女性ホルモンががんの発生に深く関わっており、 月経など女性の体で重要な働きをしているエストロゲンは、その一方で乳がんの増殖を促進する方向に働きます。

 豊かになった食生活の影響で、初潮を迎える時期は早くなり、逆に閉経は遅くなっています。また、女性の社会進出も進み、晩婚、高齢出産、さらに少子化、あるいは子供を生まない女性も増加しています。

 その結果、妊娠・授乳によるエストロゲンの分泌停止期間も短くなり、エストロゲンが分泌される期間が長くなっていると考えられ、その結果乳がんが増えているという説があります。

 閉経になれば卵巣からのエストロゲンの分泌は止まりますが、副腎で作られたホルモンが主に脂肪組織でエストロゲンに変換されるようになります。 したがって、閉経後は脂肪組織の多い人、つまり肥満した女性に乳がんの危険が高くなると言われています。

 一方で、欧米人の乳がんの罹患率が非常に高いこと、日本でも最近その罹患率が上昇してきたこと、 そしてブラジルや米国の日系人の罹患率が日本の2〜5倍程度の高値であることを考えると、 欧米型の動物性脂肪の多い食事や高カロリーの食事の影響は無視できないものです。

 現時点の研究結果では、成人期での脂肪摂取量減少による乳がんリスクの減少は期待できないとされていますが、脂っこい食事が過剰なエストロゲンの分泌を招くことは確かのようです。

 より具体的な生活習慣と乳がん発症との関連を数値化すると、乳がんのリスクを高めるものとして、喫煙(1.3倍)、出産歴なし(2倍)、初産年齢35歳以上(1.6倍)、姉妹が乳がん(2.2倍)、母親が乳がん(1.3倍)、娘が乳がん(1.9倍)などが知られています。
 一般に乳がんは遺伝しませんが、がんになりやすい体質は遺伝し、家族であれば食事などの生活環境も共通のものがあるということで、危険率が増加すると考えられています。

子宮頸がんの予防
 一方、リスクを下げるものとして、飲酒歴あり(0.6倍)、運動歴あり(週に一度0.7倍、週に2〜3度0.4倍、毎日0.3倍)、授乳歴あり(0.8倍)などがあります。

 ただアルコールに関しては、一日15c以上摂取する女性は摂取しない女性の約3倍乳がんになりやすいといった調査報告もあるので要注意です。

 自分でコントロールできる次のことに関しては、積極的に回避していけば可能な限り乳がんになるリスクを下げることができると考えられます。

1.動物性脂肪、動物性たんぱく質を過剰に摂らない。
2.肥満を予防するため食べ過ぎに注意する。
3.喫煙をやめる。
4.過度の飲酒をやめる。
5.適度な運動をする。


 つまりは、女性として年をとっても、いつまでも美しく若くきれいでありたいと願い、決してお金をかけることではなく、日々努力していくことが、乳がんになるリスクを下げることに直結するということです。これが秘訣なのかもしれません。